2012年6月5日火曜日

山の遭難 ・ 「頭は青年、身体は老人」



涸沢岳・・・11年10月雪の朝
5月6日の新聞に、

・「北アルプス 8人死亡」

・「中高年、相次ぎ遭難」。


と北アルプスでの遭難が報じられている。

白馬(しろうま)(だけ) 2932m・・・6人・全員死亡

爺ヶ岳(じいがだけ) 2670m・・・1人(単独行)・死亡

涸沢(からさわ)(だけ) 3110m・・・6人・1人死亡


何れも低体温が原因だと報じられてはいるが、同時に判断の甘さも指摘されている。
                                                
「春山ガラリ 猛吹雪」の見出しも。

冬山の荒れは当たり前、春山はもう雪が降らないと考えているのかも知れない。

そして7日の夕刊には、(おく)()高岳(たかたけ) 3190mで3人の滑落事故・・・2人死亡と。

私には、彼らを責める気もその資格も無い。

私も、遭難(と言える?・・・道迷い)の経験が数回あるから。

1白山・・・・・現役時代会社のツアーに参加

本体と別行動で午後4時ごろに間違った山小屋に到着、

漆黒の闇の中を必死に歩き、

午後8時過ぎに目的の山小屋に到着・・・本体の皆さんに心配と迷惑を掛けた。

・・・1人だとここまで歩け無かっただろう。


2上高地・・・単独行で(涸沢カールに写真撮影に)

明神まで来て道標が有るのに反対方向に曲がり、

上高地に逆戻りし2時間のロスで5時に到着。  
 
小屋の人にもう少し早く到着するように注意された。


3高見山・・・歩こう会で

撮影中、最後尾にいた人が、追い付き待ってくれたので直ぐ追うからと先を促し、

後を追ったが追い着かない、道を間違えたと思い引返した。

仲間とは電話連絡は取れたものの出会えない。

仕方なく途中出会った高校の山岳部の皆さんにお願いして、

一緒に下山し車で仲間の待つバス停まで送っていただいた。


4竜王山・・・歩こう会で

沢を渡り左折(道標有り)するところを

メンバー8名全員が右折(登山道では無い旨の道標有

り・・・全員が見落し)した、間違いに気が付いた時点で、

地図で現在位置を確認後冷静にな

るために昼食とした。

昼食中に、単独行の男性が下りてこられて、

「下山道が判らないと」・・・我々も迷っている旨

を告げて沢のところまで同行しわかれた。

この様な事が低山歩きでも起こり得るトラブル、

ましてや春とはいえまだ雪が数メートルも残っている

高山では想定外以前の問題だろう思う。

私は、「頭は青年、身体は老人」

と自分自身に言聞かせながらの行動しているつもりではあるが。

以前は出来た事でも、今出来ない事が身体は知っている、

が・頭が知らない、いや知りたがらないのでは。

「この位なら(いける)」なのか「この位でも(いかない)」なのかで随分違ってくる。

「この位なら(いける)」=過信になってはいないだろうか。

「昔とった杵柄」は長い間使っていなかったので柄が細くなっているのを早く気付くべき。

早めの判断が、その後のリスクを下げてくれる事は確かである。


ただ装備だけはしっかりとしてほしい・・・。

それは自分の命を守る為に。


数年前に奥穂髙岳への山道、標高2500m地点で、

足元はスニーカー背中にはデイバック、手にはこうもり傘、

頭はタオルで帽子代わりにかぶっている。

着ている物はと見ると半袖のTシャツ一枚、

こんな服装の2人組に出会った事がある、

それも雪が降ってもおかしくない10月の始め・・・まるでタウンウォーキングである。

白馬岳の場合、ザックに中にダウンジャッケトとツエルトがあったと後の報道で知った。

涸沢岳の場合も、装備は冬山装備だったらしいが、

日が落ちて吹雪の中の救助活動は何時撤退を・・・と始まったらしく、

亡くなった方を背負って小屋まで担いだ若い隊員は助けられなかった悔しさで泣いていたそうだ。

小屋で蘇生されて方もいた様で、犠牲者が1人だけで、5人が無事だったのは奇跡に近いと、

小屋のHPで救助活動に携わった「ぼちぼちいこか」氏は云っておられる。


何故こんな事を、と言われそうですが涸沢岳は毎年カールから眺めており、

何回と無くレスキューのヘリを見かけており、

ブルーシートに包まれた御遺体らしきものを見かけた事も有るので他人事ではないのです。


今年秋に奥穂髙岳・涸沢岳

夏には槍ヶ岳・南岳にチャレンジする予定で、

自戒を込め自分に言い聞かせているのが実情ですが、本音は怖いのです。

そして、入山の前には慰霊塔にお参りして入山儀式としている。


やっぱし、槍、穂高へのチャレンジ計画を、

無理をしない様にもう一度見直そう。

夜行バスもJRに変更しよう。 その分1泊増やせば・・・・。









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