2014年9月5日金曜日

山の事故/小屋番の本音


今年の山小屋の悩みは、
一年で最も登山客の多いシーズンに天候不順の為
キャンセルが多いことのようだ。
私の心配は、そんな夏場の日照時間の短さで秋の紅葉の色である。
それは兎も角、
今年夏山での事故が何故か多い様に感じている。
夏なのに、青空が少なく雨が多く気温が低く
低体温で行動困難が要因らしい。
また、豪雨で沢の水量が増え
天気の良い日であれば渡渉可能な所でも渡れない。
そんな、先月14日のある山小屋のブログに

小屋周辺での遭難事故状況が出ていた。



表面の原因は違っていても、小屋番は
無知と技量不足が大半と嘆いている。
勿論そんな人ばかりでは無く、世界的な有名で
その年に最も優れた登攀した人に贈られる
ゴールデンピッケル賞に輝いた登山家も・・・。
これは夏山で無く、酷寒の3月。
そして19日にはこんな嘆きの独り言・・・では無く、
本音だろうと思う。

(前略)ここで登山者の様子を観察していると、
どう考えても登山を始めたばかりの初心者、
小屋周辺の階段ですら足元がおぼつかない高齢者、
日頃のトレーニングもせずに穂高に挑みボロボロに疲れ切った人、
そんな登山者がわんさか訪れる毎日。
正直、そうした登山者を見てれば遭難者と紙一重、
ここで事故が多発するのも当然と思わざるを得ません。

あ~、しんど
こんなに辛い道とは思わなかった
人生で一番疲れた
もう上高地まで歩けない

そりゃ、あんたたちの経験不足、実力不足だよ。
山はあんたたちに合わせてはくれないさ、
自分で自分の技量に合った山を選ばないから辛いんだよ。
自分のレベルを上げて穂高に挑めば、そりゃメチャクチャ楽しいんだからさ。
 な~んてことを営業者として、決して口にはしていませんけどね。
静かに心の中で感じているだけです(笑)

小屋番は遭難の報が入れば、仕事中でも、夜中でも
捜索に出なければならない。
そして助けたい、その命を救いたい。
小屋番のブログを読んでいるとそんな気持ちが
ひしひしと・・・・。

数年前、槍ヶ岳で若者との会話
「初めての登山で中房からここまで登ってきましたが、
穂高まで行けますかね?」
「初めての登山でここまで!!・・・立派しかし無謀。
貴方の技量が判らないから・・・。」
「この先大キレットが有る、ここまで引き返す勇気が
有るなら行っても良いが、でなければここから下山したほうがよい。」
「・・・・・・・・」
あくる日下山道でこの若者と遭う。
こんな登山者ならまだ遭難も少ないのに・・・
しかし初登山で、表銀座縦走・・・?いやはや・・・???

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