2012年2月25日土曜日

狸岩



狸岩

日本の登山は、

山信仰から発達したと理解している。

数年前に≪熊野古道≫を歩いた折、

語り部さんに案内して頂いた。

2班に分かれ、

説明を受けながら歩いていたら、

後の方から何やら大きな声が・・・。

何を言っているのか理解できなかった。

暫く聴いていると後組の声と判り、

《六根清浄、お山は晴天》 と言っている。

語り部さんの声にあわせて全員で唱和《六根清浄、お山は晴天》。

この声が気になり説明が理解できなかった記憶がる。

そんな山信仰の頂点に立つのが、山の頂上にある祠だろうか。

その祠に辿り着くまでの山道に色々な名前の付いた岩がある。

先人たちは、名前をつける事で疲れを癒しながら歩いたのであろう。

そんな岩の一つに前穂高岳の「狸岩」がある。

「狸岩」で思い出した事がある。 いささか旧聞ではあるが。

2009年の秋涸沢ヒュッテに泊った折。

出入り口付近に張ってある署名入りの新聞記事(信濃毎日?)に目が留まった。

その記事の内容は、狸いや「狸岩」と「満月」の組み合わせ。


まるで童謡の「證誠寺の狸囃」を連想させる構図に、

一人の新聞記者のユーモア溢れる発想(着想?)に感心した。


記事の内容は以下。
 新聞記事(I氏提供)


≪前略≫・・・・・・高さ約15㍍。

でっぷりしたおなかに耳を立て横向く姿は、

宮崎アニメのトトロにも似、夢をかきたてる。

5月)9日夜、1200㍉望遠レンズで始めて

満月に浮かぶ狸岩の撮影に成功した。

≪中略≫……涸沢槍直下、

標高2800㍍付近の雪の急斜面で、

雪崩と落石を警戒しながら一人満月が

昇るのをひたすら待った。


午後8時12分、狸岩に満月が

重なるナイトショーが始まる。



何年も撮影に挑戦し、脳裏に描き続けてきた光景が一瞬現れ、体が震えた。

月に合わせ、涸沢カールを斜めに下降しながら撮影。

残雪に埋まる「フカスの岩小屋」付近で足が止まった。 ≪後略≫

遠い昔の記憶のなせる業か、狸岩と命名した先人に乗せられたかは、

定かでないがカメラマンのロマンを感じた。








0 件のコメント:

交通事情

交通事情 先日所用で市内路線バスを利用した。 すこし早めにバス停まで行き時刻を確認してベンチに座った。 ガラ携を操作しながら、○○番の乗り場は? と高齢の男性に尋ねられた。 教えた方向に男性が歩いて行ったが、 間違っていることに気...